すっぴん畳表の説明

               すっぴん看板  2人

 

犬童たたみ店の最上級畳表に「すっぴん畳表」がある。
まさに、こだわりの一品である。

◆ 出会い ◆

それは、9月の終わり  秋の足音が間近に感じられる日でした。



ある人からの紹介で熊本県八代市鏡町に『い草』(ござの素の草)の勉強に行った。




ここで、『い草農家』を営む、岡夫妻に出会い、「畳表」や「い草」のことを教えてもらう。




初めて、「すっぴん畳表」を見せてもらったとき、私はすごい衝撃を感じた!


「すごい!」

                    い草



まず、この色合い深い緑でつやつやしている!
昔感じた田舎の野原や山のここち良い森林の香りを思いおこさせる。

普段から、仕事で手にしている畳表とはあきらかに別物だ肌で感じた瞬間でもあった。

「素足で歩いてみるといいよ」

何気なく、岡さんが言われる。

で、すぐに裸足になり、歩いてみる。
うわっ!すべすべ感の足ざわりがいい!(思わずゴロリと横になりホオずりしたかったのだが・・・)

「これが欲しかった!!」

「お願いします!すっぴん畳表を分けてください!」


思わず岡さんに頼んでいた。
私はこんなすごい畳表に出会ったのは初めてだった。
岡さんはしばらく考えておられた

「わかりました、少しですみませんが。」


と快く分けてくれたのです。

全国から依頼を受けて商品が少ないらしい事はすぐに推察できる・・・

でも、岡さんも私の仕事に対する情熱を会話から読み取ってくれたのだろうと思う。
本当に感謝の気持ちでいっぱいである。

どんなに腕の良い職人でも敵わないものがある。
それは、素材であり、材料であり、職人が魂を打ち込む対象である。

どんなに腕の立つ職人ががんばっても、材料の本質は変えられない。
職人が出来る事の一つ、素材を見る目が大切である。

岡さんはこの畳表をどのようにここまで育てあげたのだろう。
決して楽では無いはずだ。

仕上げ


後日、岡さんから電話を頂けました。
長い時間「すっぴん畳表」のことで熱く語りあう事ができた。

「お客様に勧めたら、そのすごさに即売れましたよ」と私。
岡さんもとても喜んでいて


「お客さんにいい仕事をしてくださいね」


と、とても重みのある言葉を最後に電話が終わった。

その後も、い草の製作段階の資料や日常の作業のことをCDに焼いて送ってくれたりしてくれる。

岡さんの「すっぴん畳表」に対する情熱は半端なものではない!
いい人、いい畳表に出会った!


今夜は「すっぴん畳表」を眺めながら一杯やろう

 夫婦2 [つづく]



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